心地よい安らぎの場所であるベッドですが、気をつけて使わないと事故が起こる場合もあります。
どのようなベッドで、実際事故が起こっているのでしょうか?
介護用ベッド
消費者庁や自治体の公式サイトで、多く事故例が公表されているのは柵付きの介護用ベッドです。
特に柵での事故例が目立ちます。
柵の隙間に頭が挟まったりして命に関わる事故が起こった例が多数報告されており、2009年にはJIS規格が改正され、より安全性に気をつけた設計が求められるようになりました。
2009年〜2013年までの間に製品技術評価機構に報告された事故例は65歳だけで79件と、特に多くなっています。
消費者庁や各自治体の公式サイトでも、注意を呼びかけるページが作られていたりします。
各メーカーもこれに応じて、介護用ベッドの構造の改善を進めています。
柵の隙間も、今までの縦柵が並んだ形状から、頭が入りにくい形や幅になるように改良されている製品が増えています。
二段ベッド
介護用ベッドに比べると、あまり公に事故例は上がってきていないように見える二段ベッド。
しかし、口コミなどではたまに「床板が割れた」という体験談が語られていますし、水面下の事故がないわけではありません。
2013年にはニトリの二段ベッドに成人男性が寝転んだところ板が割れて骨折した事故が報道されています。
そのほかにも、二段ベッドのはしごから足を踏み外して落ちたりする事故の可能性もあります。
ロフトベッド
公に報告されている数こそ少ないものの、ロフトベッドからの転落事故もないわけではありません。
国民生活センターによると、2010年に寝返りを打って転落し骨折したという事故例が報告されています。
マットレスが柵の高さに比べて分厚すぎないか、柵の構造は丈夫かどうかはチェックしましょう。
折りたたみベッドの事故はある?
こちらも、事故件数としてはさほどまとまった数が公に報告されているわけではありません。
しかし、消費者庁の公表資料によると2016年に店頭の展示品であった折りたたみベッドを試用中にいきなり折りたたまれて負傷したという事故も発生しています。
ですから、製品の不具合か使い方の不適切かは不明ですが、折りたたみベッドも全く事故の可能性がないわけではありません。
ベッドは本当に大丈夫?
もちろん、全てのベッドでこのような事故が起きるわけではありません。
事故のあったメーカー各社も、原因を調査し改善を進めています。
前述のように、介護ベッドだと柵の形状も改良されています。
ロフトベッドですと、はしごタイプだけでなく安定して登りやすい階段タイプも出てきています。
もちろん使う側の方としても、目先の安さだけに流されずに丈夫なベッドを買うこと、使用上の注意をきちんと守ることが大事です。
丈夫なベッドでも、無茶な使い方をしたら壊れることがあります。
柵の上に腰掛けたり、飛び跳ねたりといった乱暴な扱いをしてはいけません。
二段ベッドやロフトベッドの上から飛びおりるなどは論外です。
特に小さなお子様の場合、同居しているおじいちゃんやおばあちゃんの介護ベッドで遊びたがることも多いでしょうけど、やはり「ベッドは遊び道具ではない」という姿勢が大事です。
目を離さないようにして厳しく飛び跳ねないようにしつけましょう。