ベッドの安全性で気になることの一つがホルムアルデヒド。
シックハウス症候群が心配な人にとっては、どうすれば安心してベッドを選べるか気になりますよね。
ベッドのホルムアルデヒド対策はどうなっているのでしょうか。
目次
ベッドに使われるホルムアルデヒドとは?
ホルムアルデヒドとは、有機化合物の一種でメタノールを酸化させて作られるものです。
40%ホルムアルデヒドを水に溶かしたものをホルマリンとも呼びます。
樹脂の原料にもなり、接着剤や塗料にも含まれています。
集成材や合板を使うと板同士を接着剤でくっつけていますから、この中にホルムアルデヒドが含まれてしまいます。
そのほかにも、木材パーツ同士をくっつけてフレームに仕上げる際も接着剤を使いますから、その中にもホルムアルデヒドが含まれます。
揮発しやすい性質を持ちますので、塗られたホルムアルデヒドが気化して臭うことがあるのです。
ホルムアルデヒドの害
手軽で安価な工業用原料であるホルムアルデヒドですが、一方で人体に対する急性毒性を持ちます。
気化しやすい性質から、ホルムアルデヒドを含む塗料や接着剤のついたものがあると刺激の強い臭いがします。
特に粘膜に刺激され、くしゃみやよだれが出たり頭痛のする人もいます。
家に入ると目がチカチカしたりして苦しい、いわゆる「シックハウス症候群」の大きな原因の一つです。
シックハウス症候群が起きるのは、家具や建材をくっつける接着剤にホルムアルデヒドが含まれることがあり、それに体が反応しているのです。
ホルムアルデヒドの濃度が高いと、最悪の場合肺に炎症を起こしたり呼吸困難になったりします。
ホルムアルデヒドへの耐性は個人差も大きいです。
キツい人は少しの臭いでもしんどくなったり、発疹に悩まされたり目がチカチカするあまり眠れなくなったりもします。
アレルギー持ちの方は、症状の悪化原因になるとも言われています。
ベッドのホルムアルデヒド対策
もちろん、このようなホルムアルデヒドの害が見過ごされてきたわけではありません。
平成12年以降は厚生省の通達により、室内のホルムアルデヒドの濃度が0.8ppm以下に抑えられるよう求められています。
建築基準法でも改定により、ホルムアルデヒドの濃度を抑えるよう規定がされました。
家具メーカーの低ホルムアルデヒドへの努力
役所にただ言われっぱなしになるだけでなく、家具メーカーもそれぞれ自主的に少しでもホルムアルデヒドの害がなくなるように努力をしています。
製造過程で各メーカーは少しでもホルムアルデヒドの使用量を減らすような工夫をこらしています。
基本的に行われる対策は以下の通りです。
- 使用する接着剤を「低ホルムアルデヒド」にする
- 出荷する際に、ホルムアルデヒドを吸着するシートで包んで低減する
これらの企業努力により、ホルムアルデヒドは多少なりとも出荷前に抑えられるようになりました。
最近は「低ホルムアルデヒド」「低ホルマリン」と銘打った家具も多く販売されています。
家庭でできるベッドのホルムアルデヒド対策
購入するときに「低ホルムアルデヒド」のベッドを選ぶことはもちろん大事。
特にアレルギー持ちの方、家具店に入った時に「臭いがキツイ」という経験をお持ちの方は、「低ホルムアルデヒド」「無塗装」のベッドをなるべく選ぶのが大事です。
無垢材のベッドだと、集成材よりも接着剤の使用量が減らせますのでそちらもおすすめ。
メーカーが行う工夫だけでなく、購入する私たちの方もホルムアルデヒドの影響を抑える対策が必要です。
新品を購入したら換気をしよう!
注文したベッドが届いたら、まずは換気をしましょう。
窓を締め切っていると、木材の接着剤から放出されたホルムアルデヒドが部屋の中に溜まってしまいます。
窓をあけ、少しでもホルムアルデヒドの濃度を落としましょう。
木造のベッド、特にひのきのベッドはもともと木の香りもかなりキツイですからそちらの匂いもある程度軽減させるためにも換気がまず必要です。
また、ホルムアルデヒド以外のトルエンなどの化学物質が接着剤に含まれていて、そちらが具合の悪くなる原因になる場合もあります。
新品のベッドを購入した際は時間をかけてよく換気するに越したことはありません。
少なくとも組み立てている時間のうちは窓を開け放しておく方がいいでしょう。
新築のお家だと、ホルムアルデヒドの刺激臭が家の建材なのか家具か、どれから来たのかがよくわからないこともあります。
家を建築する方の企業でも、低ホルムアルデヒドを心がけ具体的な説明をしてくれる会社を選ぶようにしましょう。
ホルムアルデヒド吸着材を使おう
メーカーが出荷の時にホルムアルデヒド吸着シートを使っていますが、実は家庭用のホルムアルデヒド吸着グッズも多数販売されているのです。
通販やホームセンターで簡単に購入することができます。
スプレータイプのもの、ジェルタイプやシートタイプのものなど形状は様々です。
ディスプレイ用の模造観葉植物の中にも、ホルムアルデヒド分解機能を持つものがありますから、インテリアがてら飾っておくと良いです。
シートタイプのホルムアルデヒド除去材でしたら、収納ベッドの引き出しの中にもしばらく入れておきましょう。
アイシン精機 ホルムアルデヒド吸着・分解シート 家庭用【2セット(8枚)】
吊るすタイプでしたら、クローゼットの中やロフトベッドの下に吊るしておけば部屋全体のホルムアルデヒド軽減に繋げられます。
まとめ
家具の接着剤に含まれるホルムアルデヒドは、目がチカチカしたり発疹などの症状に悩まされる人もいます。
もちろんメーカーの方でもホルムアルデヒド軽減の努力は日々続けられていますが、体質上敏感な人もいます。
ベッドを選ぶ際には「低ホルムアルデヒド」と銘打たれたものや、接着剤使用量が少なくてすむ無垢材などを選びましょう。
新品のベッドを購入した後には、お部屋の換気をよくしたり吸着剤を使うことも大事です。